2021年は静岡県知事選挙があります。
告示は6月3日、投票日は6月20日です。
既に事実上の一騎打ちとなった、現職で4選目を狙う川勝平太氏と、そこに挑戦する自民党推薦の岩井茂樹氏。
告示前ながらも、既に両者の政策論争は始まっており、主張の違いが出てきました。
私は静岡県民であり、有権者でもあります。
全国的な注目度はないかもしれませんが、私は今回の選挙を特に注目しております。
目次
川勝知事と岩井氏の主張が出揃う
まだ告示前ですが、既に両者の討論は行われ、各地での政策の主張から、両者の違いが見えてきました。
いろいろな主張が出ており、確かに違いは見られます。
それは選挙で対決するのですから、違いがなければどうしようもありません😅
しかしどうでしょうか?
細かな違いがあっても、大きな違いがあるように感じ取れますでしょうか?
結局、こうした細かな争いでは、全国的な注目度が上がらない事はもちろん、静岡県民の中でも投票に対して関心度が低くなってしまうのでは?と、私は現時点まででは実感しております。
一般社団法人静岡青年会議所主催 「静岡県知事選挙公開討論会」
静岡県知事選挙の最大の争点は「リニア」なのか?
静岡県知事選挙で避けて通れないのは「リニア問題」です。
岩井氏が立候補を表明した直後から、川勝氏は岩井氏を「国交省の顔」「リニア推進派」として、対決ムードを演出しようとしました。
ところが、岩井氏は「推進派ではない」と否定をし、「(事業者が決める事だが)ルート変更など含めて検討」とゼロベースである事を示しました。
両氏のこれまでの経緯や立場は違えど、慎重であるという事で、大きな違いは見られません。
少なくとも、「推進派 vs 反対派」という真逆の構図にはなってません。
最大の争点となっているとはとても言い難いと思います。
ちなみにですが、私は現在、静岡県に大きな悪影響があるなら、ルート変更が良いのではないかと思ってます。
静岡におけるリニアの問題が正しく伝わっているのか?
静岡工区におけるリニア問題は、全国に正しく伝わっているでしょうか?
私の所感では、正直伝わっているとは思えません。
「静岡県がゴネている」「自分たちにはリニアの駅ができないから」「川勝知事は反日で中国が先にリニアを作る事に通せんぼしている」「静岡県は国益に反している」「沖縄のような環境左派の陰謀」などのネットの反応がうかがえます。
確かに、環境左派や川勝知事が反日だからと言われれば、私も胸を張って100%ちがう!とは否定できません。
静岡県内にはリニア反対のみの声ばかりではありません。
一方で、一番影響を受ける可能性のある、大井川流域では、不安の声が多数です。
これは川勝知事だけでなく、静岡県議会や地元の首長たちの間でも不安の声は大きいです。
大井川流域の人口は62万人であり、皇室に献上した牧之原台地のお茶など、大井川の水は地元の産業を支えています。
南アルプスのトンネルを掘ることにより、地下水が山梨県側や長野県側に流れれば、大井川の水量への影響が懸念されます。
そしてJR東海の態度は、地元住民たちの不信を買っています。
川勝知事の態度にも私は問題があると思ってますが、一方で静岡県にメリットがないままリニアを賛成しろというのはどうでしょうか?
「国家プロジェクトであり、国益を考えろ!」という声があるかもしれませんが、その国益のために地元住民の生活が脅かされる事は容認していいのでしょうか?
国民の生命財産を守ることが国家の役割であり、私達は一党独裁の中国共産党ではありません。
それゆえに、静岡県がなぜリニアに不安を抱いているか?なぜ選挙でリニア推進が支持されないのか?
この点が多くの方々に理解されることを願ってやみません。
しかしながら、この誤解の一旦は、私は川勝知事にあると思っています。
川勝知事は、役所などの強い権限を持つ相手には、時に強く主張する必要があるためと、今回の選挙戦でも弁明してましたが、私はこの点に完全に同意できません。
多くの理解を得るため、静岡がなぜリニアを不安に思っているかを、広く県民や国民に、多くの人に訴える事が重要だと思ってます。
進まぬリニア工事 ~ 静岡県はなぜ不安なのか ~
SBS(静岡放送)で2021年4月29日に放送されたリニア工事に関する番組です。
リニアへの反対色が強いバイアスが掛かっているかもしれませんが、リニアにはメリットだけではないデメリットも、よく理解しておく必要はあると思います。
票読みは?どちらが知事になるのか?選挙の予想
今回の静岡県知事選挙はどうなるでしょうか?
過去4回のデータを見てみます。
2009年から川勝氏は県知事に当選してきました。
過去のデータを見れば、2021年今回の選挙の得票は140万票ほどになると思われます。
得票率が過去2回は5割弱で推移してますが、仮に今回2009年ほど得票率が上がれば、180万票にも届くかもしれません。
両陣営ともに、83万票を当選ラインとみています。
前回選挙でも川勝知事は83万票で当選しました。
これまでの選挙結果だけみれば、現職の川勝知事は有利と見えるでしょう。
中には100万票も視野に入ったという見方もあるようです。
しかし、私個人としては、川勝氏が果たしてそれほど得票できるか疑問です。
少なくとも、私の周りでは川勝氏を支持する声はあまり聞かれません。
とはいえ、世論調査も支持率調査も探したのですが見つけられなかったので、正直な情勢は分かりません。
12年ぶりに自民党党本部が推薦しているとは言え、果たしてどこまで票を伸ばせるか?
動向や、両者の政策主張を最後までよく注目してみたいと思います。
一人の静岡県民として、どちらの知事候補を支持するか
最後になりますが、私が両候補のどちらを支持するかです。
ここまで読んでいただいた方なら、もうお分かりかと存じますが、私は岩井茂樹氏を支持します。
いくつかの主な理由を挙げます。
- 川勝知事のこれまでの言動・行動を支持できない
- リニア問題で、岩井氏が静岡県の利益を十分代弁してくれると思ったから
- 岩井氏が県内の市町村、特に仲の悪い静岡市との関係も修復して、対話と連携を重視している点
- 岩井氏が保守的な政治家だから
- 多選の弊害と世代交代の必要性(この重要性は川勝知事も挙げていました)
- 私が消去法ながらの自民党支持者だから
私の中で、一番の理由は川勝知事へ不審です。
以下に前回2017年静岡県知事選挙の結果があります。
静岡県内全35市町村あるうち、県庁のお膝元である静岡市のみ、川勝氏は得票で下回りました。
もっと具体的に言えば、静岡市の葵区と駿河区の得票が下回ってます。
私は静岡市葵区民ですので、これまでの川勝知事の静岡県都構想発言や、田辺静岡市長との軋轢には辟易としています。
特に前回選挙当選後に、静岡市内でも川勝氏が訴えていた「こども医療費補助」について、静岡・浜松の両政令市には、政令市移行時に結んだ「医療費助成にかかる費用は市が負担する」との協定をもとに、補助の必要はないと主張して補助に難色を示していました。
結局、協議の末、2022年まで補助する方針になりました。
確かに川勝氏の主張は筋が通っているかもしれませんが、それなら公約にする際に「両政令市を除く」とか「権限が大きい政令市は政令市で」と主張するべきでした。
これでは人気票取りの詐欺です。
静岡県内でも、静岡市で特に川勝氏への批判が強いのは、このような彼自身の言動などが関係しています。
故に、私は川勝知事を信頼できません。
今度の選挙で川勝県政に審判が下り、岩井氏が静岡県の顔として、静岡県に貢献される事を願っております。