元財務官僚(入省は大蔵省)の高橋洋一氏。
内閣参与を務めていた高橋氏は、5月9日に自身のツイッターで不適切表現とマスコミに叩かれて、最後は同職を5月24日に同職を引責辞任しました。
ここぞとばかり、高橋氏を叩きましたが、果たしてそれほど叩かれるものだったのか?
事実関係を整理しながら考えたいと思います。
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騒動の発端はツイッターの表現「さざ波」「笑笑」
騒動の発端は、高橋氏の以下ツイッターです。
日本はこの程度の「さざ波」。これで五輪中止とかいうと笑笑 pic.twitter.com/Q6JvZCOTUa
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) May 9, 2021
このツイートで、五輪を中止する事に対して、感染状況が欧米諸国に比べて、日本は「さざ波」であるとグラフで示しました。
そのような状況下で五輪を中止する事は、世界から笑われるという事で「笑笑」と表現しました。
ちなみに、この「さざ波」の表現は、元厚労省医系技官で医師の木村もりよ氏が使っていた表現との事です。
高橋氏が説明するように、G7の感染状況と比較して日本の感染状況はグラフにすれば「さざ波」という表現で木村氏も使われていたそうです。
マスコミは曲解して高橋氏を攻撃する
マスコミは、とにかくこの表現について高橋氏を叩きました。
コロナで死者が出ているのに、そういう人たちからしたら、「さざ波」という表現は受け入れ難い、あってはならない表現などの批判がありました。
また、テレビ朝日の玉川徹氏は朝の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」にて、「内閣官房参与は総理に直接会って助言する立場。総理は助言を得るため国税を使って任命している」と発言しました。
この発言の高橋氏は、内閣参与に任命されるにあたって、国費など受け取っていないと反論しています。
しかしながら、マスコミからの高橋氏への批判は止まりませんでした。
自身のYouTubeチャンネルで説明と反論する高橋氏
高橋氏、「屁(へ)みたいなもの」発言で辞任を決意
高橋氏は5月11日に、ツイッター上で「分析に支障を出るような用語を使わないようにする」趣旨のツイートをしました。
世界の中で日本の状況を客観的に分析するのがモットーなので、それに支障が出るような価値観を含む用語は使わないようにします。 pic.twitter.com/B07cUt3g1o
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) May 10, 2021
これで事態は収束するかと思いましたが、この後ツイッターで日本の緊急事態宣言について「屁みたいなもの」というツイートをしました。
不適切表現を次に改めます。各位にお詫びします。
日本の緊急事態宣言といっても、欧米から見れば、戒厳令でもなく行動制限は弱い。下図参照 pic.twitter.com/z5rfV642YHスポンサードリンク— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) May 24, 2021
ツイートは既に不適切表現として訂正され、謝罪されてます。
しかし本人としては責任を取る形で、内閣参与を辞任する事になりました。
自身のYouTubeチャンネルで 内閣官房参与辞任を語る
高橋氏の一連の流れは、マスコミにエサを与えるもの
私は「さざ波」も「笑笑」も、マスコミに叩かれるような問題はなかったと思います。
しかし、ご本人に落ち度があろうと、なかろうと、高橋氏ご本人は、迷惑が掛かっている各方方にお詫びをし、また今後 表現を改める趣旨のツイートをしていました。
しかしその直後、マスコミが叩く材料を探している中で、「屁みたいなもの」という品のない表現は、たしかに更に関係者に迷惑がかかる行為だったと思います。
高橋氏が言うように、表現が悪かっただけで、主張されている内容は間違っていないと思います。
しかし、やはり叩かれている内閣官房参与としては、良い行動だったとは言えないと思います。
ご本人がおっしゃるように、辞任は仕方がなかったかもしれません。
しかし高橋氏をそんなに叩いて何になる?
高橋氏は、そもそも自身が叩かれているのは、マスコミがオリンピックを中止に追い込みたいと考えているからだと話されてました。
確かにその通りかもしれません。
私もこの件で、地上波の番組で高橋氏への批判をいくつか見ましたが、コロナの死者を冒涜しているだの、一部表現のみを曲解して叩く事に注力しているようにしか思えません。
高橋氏に対する意見は、決して批判ばかりではありません。
しかしマスコミはそのような事を取り上げません。
また、このような強硬な五輪開催派が菅総理のアドバイザーとしているから、問題であるという批判などもありましたが、そんなに高橋氏を叩いて何になるのでしょうか?
マスコミは百歩譲って、国会にまで取り上げられ、政治問題化する意味があるのでしょうか?
もっと大事なことはあるはずです。
そもそもマスコミは、コロナ発生時、1000万都市の中国・武漢が閉鎖されるという前代未聞の異常事態の際、世界が中国からの入国をシャットアウトしている中、マスコミは入国制限をしない政府を大きく批判してきたでしょうか?
批判どころか、WHOの発表では人から人に感染しない、中国人を排除するよりともに手を洗おう、といった報道や論説がありました。
マスコミが高橋氏が命を軽んじているとするならば、マスコミこそ、政府を強く入国制限を批判しなかったため、変異種が入り混み、それにより多くの命が失われる事態を招いたと言えるのではないでしょうか。
マスコミは「マスゴミ」になってしまった・・・
高橋氏のYoutubeの中にマスコミを「マスゴミ」と発言していました。
私も、マスコミの様々な切り取りや、公平性に欠けた報道は、「マスゴミ」にふさわしいと思います。
しかし、高橋氏ほどの立場にある方が発言するのに、適切かどうか言われれば、あまり適切には思えません。
だからといって、高橋氏をマスコミが公共の電波を使って散々叩き、また国会でこの問題が取り上げられる事は、やはり違うと思います。
マスゴミが「マスゴミ」のまま捨てられないためにも、偏らず、幅広い意見をもつ専門家や見識のある方々で、しっかりと真実ベースに基づいた報道をしてほしいものです。