なぜ一般道146キロ走行が危険運転と司法は認めないのか?

2018年12月。
三重県津市にて一般道60Kmの道路で146キロのスピードを出し、タクシーに衝突して4人を死亡・1人を大怪我させた事件がありました。

2月12日、この裁判の控訴審は、一審判決を支持して控訴を棄却しました。

その一審判決とはどのような裁判だったでしょうか。

元会社社長が引き起こしたこの一審裁判では、検察側は、危険運転致死傷罪で懲役15年を求刑しました。
また危険運転致死傷が認められなかった場合は、過失運転致死傷罪で「予備的訴因」を追加し、この罪では懲役7年を求刑していました。

一般道を最大146キロで走行し、重大な死亡事故を引き起こした事件。
制限速度は倍以上の86キロオーバーです。

こんな運転は危険運転だと市民感覚では思うのではないでしょうか。
ところが、判決は危険運転を認めず、過失運転致死傷罪で懲役7年の判決になりました。

一体どんな争点があったというのでしょうか。

当時の被告の運転が「進行を制御することが困難な高速度」だったか、その危険性を認識していたかが、主な争点との事です。

裁判長は、法定速度(時速60キロ)を大きく超過し、事故を回避するための適切な車線変更ができないとして「物理的には制御困難な状態だった」と指摘する一方、事故の危険性については「『具体的な可能性として、(被告が)現実に頭に思い浮かべていた』、すなわち犯罪の故意があったと認定するには合理的な疑いが残る」として、危険運転致死傷が成立しない事を結論づけました。

法律の解釈はそうなのかもしれません。
しかしこれを聞いて多くの人は納得するでしょうか?

一般道を146キロで走る。

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これほど危険な行為をし、4人を死亡させ、1人を大怪我させるという重大な結果。
果たして懲役7年で済まされるのでしょうか?

名古屋高裁は、控訴を棄却しました。
つまり、法的には、司法の判断としては妥当と認めた事になります。

この手の危険運転が適用されない事例は度々聞きます。
しかし、果たしてこれで本当に良いのでしょうか?

こんな事がまかり通るのであれば、自分がその被害者になった時、到底納得できないですし、何よりそのような行為はその程度で済むという、誤ったメッセージを社会に与えかねません。

法律は不備や世論の声に押され、都度 法改正されてきました。
今回の件も、やはりもっと厳罰化すべきだと私は思いました。

【参照:146キロ運転で4人死亡事故裁判…二審も「危険運転」認めず 名古屋高裁(CBCテレビ) – goo ニュース
https://news.goo.ne.jp/article/hicbc/nation/hicbc-000504E6.html

【参照:津の4人死亡事故、危険運転致死傷罪適用せず 懲役7年:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASN6J72WBN6JONFB005.html

【参照:「婚約者返して」判決に憤り 146キロ運転の死亡事故:朝日新聞デジタル

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