ロシアのウクライナ侵攻は間もなく2週間経とうとしています。
未だ解決の道が見えません。
そんな中、世界では、とりわけ西側諸国ではロシアに対する強力な制裁を用意しました。
国連では、大多数の国々がロシアの侵攻を非難しています。
その点は良い傾向だと思います。
そしてその間、日本ではこのウクライナの問題について様々な議論がされてきました。
前回の記事で、私はロシアのウクライナ侵攻に対して、日本人が国防に対する意識を高めるべきと主張しました。
結局、国家は私達の手で守らなければなりません。
しかし同時に、私達は何を守るべきなのか?
それを色々と考えさせられました。
目次
なぜ日本はウクライナを助けなければならないか?
日本は西側諸国の、自由と民主主義を標榜する一員です。
ウクライナについて、本当に自由と民主主義社会の一員か?と疑問を呈する人はいます。
しかし、確かに言えるのは、ロシアは明らかに異なります。
例えロシアに様々な言い分があろうとも、現在行われている一方的な侵攻・都市攻撃・民間人殺傷は明らかに間違ってます。
国際秩序を脅かすロシアを許してはいけない。
多くの西側諸国始め、日本国民にとっても大多数の共通認識であると思います。
ロシアの根拠の1つ、ウクライナ東部地域の虐殺はあったのか?
ロシアの言う今回の「特別軍事作戦」の根拠の1つに、「8年間ウクライナ政府に虐殺された市民の保護」つまりウクライナ東部のドンバス地域の住民保護を主張しています。
ロシアは国連に「2014年以降、ウクライナ軍が学校や病院などを爆撃し、数千人が死傷した」としました。
もしこれが事実なら由々しき事です。
ただ1つ分からない事があります。
それは、その証拠映像などが出てこない事です。
情報統制でもされているのでしょうか?
現代では、ネットや地上波でも、ウクライナでの戦闘や市民の様子、ロシア国内の混乱の様子も映像が出てきます。
しかし、ロシアはその確固たる証拠を示していません。
ウクライナ側はロシアのプロパガンダは強烈だ(ウクライナと比べて)と言っているのにも関わらず、ロシアは国際社会で支持を得られる証拠を提示していません。
だから虐殺がなかったという証拠にはもちろんなりませんが、根拠に乏しいと思うのが妥当ではないでしょうか。
仮に、ウクライナにそのような非があったとしても、現在のロシアの行為は正当化できない事も、大多数の共通認識であると思います。
そしてそれは、ロシアの主張するNATOの東方拡大論も、その行為の正当化には到底なり得ません。
ロシアが悪でウクライナが正義という単純な構図ではない
ロシアに一定の理解を示す人達も、ウクライナのほうが悪いと考える人はほぼいないと思います。
世界はロシアを大きく糾弾しています。
ロシアは、私達の社会では有り得ないような強権を発動して自国民でさえ弾圧しています。
私や、日本や西側諸国の視点からすれば、ロシアは悪です。
では自由と民主主義の砦と言うウクライナが正義か?と言われれば、私はそれは断言できません。
私はウクライナを支持してますが、一方でウクライナは日本国内においても疑問に思う、一部の日本人の信頼を損なうような事をしています。
例えばウクライナ大使館で傭兵を募集したり、面会しなかった鈴木貴子外務副大臣をツイッターで名指して削除したり、東京タワーへのウクライナ国旗のライトアップを拒絶されたとツイートした事などです。
戦争とは情報戦でもあります。
しかしこれらの事は、結果日本人でも賛否は分かれる事になりました。
先程も述べたように、私はウクライナを支持しています。
しかしウクライナ側は、日本人の信頼を損なうようば行動についてはよく考えた方が良いと思います。
なぜ私がウクライナを支持しているのか?
日本では多くの人がウクライナを支持しています。
支持の仕方には温度差など様々ありますが、基本的にはウクライナ支持がほぼ大半なはずですし、少なくともロシアを支持するという声は、ほぼ無いと思います。
私もウクライナを支持しています。
ただ、ウクライナの勝利を願っていても、現実は兵力差や国際政治状況を考えれば、控えめに言って厳しすぎると言えます。
それでも、私がウクライナを支持する事は、自由と民主主義を守る戦いである事、このような戦争と虐殺を引き起こす勢力を許さないという、日本の国益に一致するからです。
しかしウクライナはこのままでいいのか…
話は変わりますが、橋下徹元大阪市長が、「ウクライナ人は全員国外に逃げて、プーチンが死ぬまで待つ」という趣旨の発言が、ネットでだいぶ叩かれました。
私は基本的にはこれまで、橋下氏の様々な考え方に近くはありません。
しかし、この橋下氏の意見には、私は単純に否定も批判もできません。
祖国と自由を守る事、人類は血を流して獲得しました。
しかし橋下氏の意見を否定する事は、私にとってはウクライナ人に血を流して戦えと言っているようなものです。
そして今、ウクライナがこの徹底抗戦している現状に、出口の兆しが見えません。
孤立無援で戦い、持ちこたえればロシアでクーデターが起きる保証はありません。
今回の件が、今世紀最大の難民になると言われたますが、少なくともNATOが軍事力を行使できない以上、戦いたくないウクライナ人を可能な限り保護する事も必要かもしれません。
ウクライナの現状を回復するまでロシアを制裁すべき!
ウクライナ側、ゼレンスキー大統領がどのような選択をするかは分かりません。
もちろん勝利できれば一番いいです。
ただ厳しい事は間違いないと思います。
降伏するか、撤退して戦線を立て直すか、あるいは捕縛や暗殺されるか、徹底抗戦するのか。
その結果次第では、ウクライナに傀儡政権を樹立するのか、ロシアはクリミアの主権のみでなく、全土を併合するのか、ウクライナにとっては屈辱を受け入れる事になるでしょう。
しかしそのようなシナリオになった場合、私は現在ロシアに科そうとしている制裁を今以上にすべきです。
そしてそれは、ウクライナの現状が回復するまで、手を緩めるべきではありません。
ロシアが根を上げるか崩壊するのが先か分かりませんし、緩めることなく続けるべきです。
武力を使わない、核大国ロシアと武力衝突をしない選択をするのなら、これをロシアを崩壊させる契機にしなければなりません。
それは、もっとロシアよりも強権的な中国に対しても、西側の本気度を示すべきです。
民主主義とは万能ではありません。
米国もナチスドイツも民衆の支持を得て戦争をしました。
しかし、ではどっち?といった時、強権政治や共産主義に比べれば、私は遥かにマシだと思ってますし、長期的に考えても、西側諸国がロシアに強烈な制裁を科す事が日本の国益だと、私は信じています。