チンパンジーの同族殺しは霊長類特有か?

チンパンジーと言えば、遺伝子レベルだと98.8%がヒトと同じで、その違いはわずか1.2%しか違わない事で有名です。
ヒトとチンパンジーは、約500万年前に共通の祖先から分かれたと言われています。
46億年のち級の歴史から比べれ、つい最近どころかちょっと前と言っても差し障りのないくらいです。

そんなチンパンジーは、動物園に行けば会いに行けます。
日本では40施設ほど飼育されているそうです。
また、テレビでも前述の通り、人間に近い存在と紹介され、その頭の良さから親しみを感じる人もいるはずです。

しかしその一方で、チンパンジーには【同族殺し】という恐ろしい習慣もあります。
一部では、これは人間の影響を受けた結果という説もありましたが、アメリカの科学者からそれを否定したニュースがありました。

【参照:チンパンジーの「殺し合い」は人間の影響ではない!? 誰かに話したくなる地球の雑学(46) – レタスクラブ
https://www.lettuceclub.net/news/article/1019354/

それは、半世紀近く人間と関わりのないチンパンジーのグループを観察した結果、複数のオスが徒党を組んで他のグループのオスと子どもを殺すことが多く、メスには危害を加えないのが特徴との事です。

同種間で殺し合いをする哺乳類は、特に霊長類に多く、縄張り意識や社交性をもつ動物がもっとも多いそうです。

チンパンジーは恐ろしいな!と思ってるかもしれませんが、一番同族を殺しているは、他でもない我々人間です。
マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が公表した「世界の殺し屋の動物たちー1年で動物に殺される人間の数」(2014年4月版)によれば、戦争などを除く人間が人間を殺した数は47万5千人との事です。
もちろん人間の数が圧倒的に多いとは言え、かなりの殺人が起きている事は実感できるかと思います。

「縄張り意識と社交性」が原因なら、人が人を殺すのは生物としての宿命かもしれませんが、私達は知恵を持ち、そのような悲惨な事が起きないように社会秩序を構築してきましたので、同種殺しが本能だというのなら、それは乗り越えなければなりません。

少し同族殺しと話は変わりますが、チンパンジーのブルーノをご存知でしょうか?

1988年、アフリカのシエラレオネ共和国のチンパンジーで、幼くて弱々しい一匹のチンパンジーが人に20ドルで売られました。
そのチンパンジーはブルーノと名付けられました。

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その後ブルーノは大きくなり、体調180cm体重90Kgと、平均的なチンパンジーの倍にもなりました。

ブルーノは電気フェンスの檻に収容され、人間に対して愛想笑いや投げキスをする一方、気に入らない観客には糞や石を投げる行為を取ったといいます。
そしてブルーノはこの電気柵から脱走します。
ブルーノは、人間が開錠操作するのを見ていて、それを自らの知能で理解していたのです。

部下を引き連れたブルーノは、その後、人間に対して襲撃事件を起こします。
残忍な方法で人間を殺害したブルーノ達脱走チンパンジーは、現地人(黒人)に対してと外来者(白人)を区別して対処したと言われてます。
自分たちが常に虐げてきた人間に対して特に憎しみを向けていた事は、チンパンジーの残虐性とその知能の高さを改めて思い知らせる出来事と言えます。

普段、動物園に大人しそうなチンパンジー。
しかし彼らの社会性や知能は、他の動物とは大きく異る事が分かると思います。
彼らにあったも、馬鹿にしたり憎しみを煽るような行為は避けた方が良さそうです。

【参照:チンパンジー – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%BC

【参照:人間とチンパンジー、98.8%同じ…成長分けた「決定的な差」 | 富裕層向け資産防衛メディア | 幻冬舎ゴールドオンライン
https://gentosha-go.com/articles/-/28949

【参照:どの動物が人間を一番殺しているのか…? ビル&メリンダ・ゲイツ財団がまとめた驚きの結果 | ハフポスト
https://www.huffingtonpost.jp/2017/11/11/don_a_23273992/

【参照:ブルーノ (チンパンジー) – Wikipedia

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