今、コロナ禍にありながら、各国の株式市場は急騰の流れにあります。
そんな株式市場で、アメリカでは興味深いニュースがありました。
機関投資家(ヘッジファンド)が仕掛けた空売りを、個人投資家が失敗させたというニュースです。
株の空売りとは、その株を大量に保有している所から借り、それを売って買い戻す行為です。
つまり、100円で株を借りて100円で売ります。
その後、株価がもし60円まで下がったら、60円で買い戻し、借りた株を返します。
すると売れた100円と買い戻した60円の差額で40円空売りした人の利益になります。
厳密には金利や手数料もありますが、とにかく空売りはこのような仕組みで利益を出す事をします。
しかし、株は必ず下がるとは限りません。
株価が上る可能性もあります。
株価が上がれば上がるほど、買い戻す価格も上がるので、この場合は多額の損失を出してしまう可能性があります。
今回、アメリカのヘッジファンドが、ゲーム小売会社「ゲームストップ」の株を空売りし、それに気がついた個人投資家が、SNSでゲームストップ株の購入を呼びかけ、株価をつり上げました。
これにより、株価は一時1700%の高騰をし、ヘッジファンドはかなりの損失を被ったとの事です。
この現象はゲームストップに限らず、いくつかの銘柄で起きているようです。
株価を意図的に操作する事は認められてません。
そのような事がまかり通れば、市場は健全さを失ってしまいます。
しかし今まで株価操作と言えば、大口資金を持つ機関投資家や資産家などがしてきましたが、このように個人の集団が仕掛けているという現象は、何とも興味深く映ります。
もちろん、これが健全で公平な事かについて言えば、あまり良いとは言えないと思います。
しかし、市場の公平を謳っていても、ヘッジファンドなどは利益を出すために株価操作などを仕掛けてきますし、多くの場合で、個人投資家がその餌食になっていると私は思ってます。
これが逆のケースというのだから、時代も変わったものだと思います。
健全な市場、公平を保つためのルールは、時代時代に合わせても変えていく必要はあると思いますが、結局いたちごっこかもしれませんね。
■ヘッジファンドに個人投資家が対抗 ゲームストップ株騒動
【参照:“お祭り騒ぎ”で株価上昇を演出、「ロビンフッダー」とは何者か? | マネーポストWEB】
https://www.moneypost.jp/733705
【参照:米ゲームストップ、株高時に株式売却検討も断念 規制上の制限で | ロイター】
https://jp.reuters.com/article/retail-trading-gamestop-capitalraise-idJPKBN2AB22I
【参照:安全かつ合法的に“ゲームストップ的”リターンを狙うには | 特集 – 株探ニュース】
https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n202102100252
【参照:ゲームストップ株、週間で80%安-時価総額2兆円近く吹き飛ぶ – Bloomberg】