菅総理の総裁選不出馬による、後任選びの総裁選は盛り上がっています。
一方で、その菅総理の選挙敗北続きで、追い風の勢いに乗ろうとしていた野党は、突然の敵失に風前の灯火と言えるでしょう。
自民党総裁選は総選挙間近で、事実上の次期総理大臣を決める選挙です。
そう言った意味では野党が埋没するのは仕方ないかもしれませんが、あれだけ政治資金問題や菅総理の説明不足指摘などで失点を重ねている自民党を前にしても、野党第一党の立憲民主党を始めとする野党の政党支持率は伸びません。
なぜだろうか?改めて考察してみました。
目次
枝野代表と立憲民主党は、本当に政権を取る気があるのか?
2009年(平成21年)に政権交代が実現し、民主党政権が誕生しました。
当時は自民党の支持率はガタガタで、民主党には追い風が吹いていました。
結果は民主党の圧勝・自民党の歴史的惨敗でした。
この当時も自民党の失策というのが大きかったと思えますが、何より当時の民主党には本気で政権を奪う気概があったと思います。
例えば、政権公約をマニフェストという言葉を使って、高速道路無料化・沖縄の基地移転を訴えてました。
今回も様々な政権公約を今打ち出していますが、何か総選挙前にポッと出している印象で、菅総理退任による計算違いから、慌ててアピールしているように私には思えてなりません。
また、当時はネクストキャビネットという形で、政権交代後の民主党内閣をアピールしていました。
当時と現在を比べると、私にはまだ立憲民主党には、政権交代の本気度が足りないように思えてなりません。
所得税免除や消費減税は実現できるのか?
立憲民主党は「年収1千万円まで1年間免除」や野党共通政策である「消費減税」を掲げています。
ただ、民主党時代、高速道路無料化や沖縄の基地移転問題で「最低でも県外」と言って実現しませんでした。
耳障りの良い言葉の実現できなかった不信に、立憲民主党の政党支持率が表れているのではないでしょうか?
政権公約について、自民党も完全に信用できるとは思いませんが、より立憲民主党の方が信じられないと言う人が多いのかもしれません。
本当に「手応え」があるのか?
枝野代表は、総選挙に向けた全国遊説で「手応え」を強調していました。
確かに安倍・菅政権を批判している人達の支持も集まっているのだと思います。
しかし、政権交代を目指すなら、その程度の手応えでは到底実現できないと思います。
アベノミクスの検証結果を立憲民主党は出しました。
「格差や貧困の問題の改善にはつながらなかった。日本経済が混迷から抜け出せない最大の要因だ」
立憲民主党のアベノミクス総括
結論ありきの調査でしょうが、一方でアベノミクスでは雇用の改善などもされた事は統計数字で明らかです。
野党なので与党の政策を褒める事ができないのは分かりますが、民主党政権時代の失敗には目をつむり、アベノミクスの失敗だけに目を向けるようでは、国民の支持は得られないでしょう。
また、ハッシュタグで「#変えよう」「#政権交代」という攻勢をしましたが、これは枝野氏の言う『あちら(自民党)がメディア戦をやって、こちらが今しっかりと地に足をついた戦いをして、』とは真逆のように思えてなりません。
まともな野党がいなければ日本の政治は良くならない!
自民党の既得権益政治や、不透明な政治資金問題は正されなければなりません。
しかし自民党の傲慢な部分を生んでいる一因は、間違いなく野党にもあると思います。
批判しかしない野党。
去年の新型コロナ問題初期の頃、それよりも桜を見る会として国会の質疑をする立憲民主党議員。
今になってコロナ対策で国会を開かない自民党を責めても、私には何を言ってるんだ?しか思えません。
また、立憲民主党の選対委員長は、小沢一郎氏と会談して協力要請したそうですが、自民党をバラバラだの長老政治だの言っている割には、とてもまとまっているとも思えず、古臭く感じます。
一方の自民党は、顔ぶれだけ見れば、確実に世代交代が進んでいます。
立憲民主党にも、そうした若手の良い人材はいないのでしょうか?
顔ぶれや人気だけで政治家は決めてはいけません。
しかし、やはり議会制民主主義において、与党と渡り合える健全な野党がいない事は、明らかに日本の政治にとって不幸な事態です。
そしてその事を、立憲民主党は総裁選ばかり取り上げるメディアなどにも矛先を向けていますが、その前に現実的に政権を担えると認めてもらえる政党になるよう、是非とも努力してほしいものです。