DHCテレビが制作する保守系のネットニュース番組「虎ノ門ニュース」。
2015年4月1日からスタートし、今では保守系ユーザーから支持を得ている番組に成長しました。
私も2018年頃から毎日視聴していました。
しかし、今年はあまり視聴しなくなりましたが、先日大きな出来事がありました。
なんと、開始当初から出演されていた科学者の武田邦彦教授が、虎ノ門ニュースを降板されるという事です。
参政党から来年の参院選に出馬する事、そしてそれを武田氏がスタッフに事前に伝えなかった事が、主な降板原因と推測されます。
同ニュースの元ファンとしては、とても残念な話題ですが、果たして虎ノ門ニュースは一体どこに向かうのでしょうか?
目次
青山繁晴氏の降板
私が視聴していた2018年には、月曜日のレギュラーコメンテーターに、参院議員の青山繁晴氏がいました。
青山氏は2020年に虎ノ門ニュースを降板しています。
青山氏は、番組当初は議員ではなく、途中から参院議員になりました。
この辺が今回の武田氏との違いでピックアップされる事もあります。
保守系の政治家である青山氏には、一部で同じ保守系からも批判を浴びたりしています。
例えば、YouTuberのKazuya氏などが代表かもしれません。
また、同番組のレギュラーコメンテーターの百田尚樹氏も、青山氏にはかなり強い批判をしてました。
私自身も、青山氏の発言については懐疑的な所もありますし、ましてや国会議員であるので、根拠の乏しい発言などについては、慎重であるべきだと思ってました。
ただ、Kazuya氏の同氏への批判動画が出た頃から、虎ノ門ニュースでもそうした批判を受け、発信には気を使われていたと見受けました。
私個人は青山氏の事は嫌いではないですし、国会の活動を報告する事は良かったと思います。
批判されるべき点もあったでしょうが、肯定されるべき部分もあったと思います。
故に、虎ノ門ニュースでのゴタゴタに寄る降板劇は非常に残念でした。
上念司氏の降板
水曜日のレギュラーコメンテーターの経済評論家・上念司氏。
彼の降板は新型コロナやアメリカ大統領選挙が大きく関係していると見ています。
2020年1月に中国の武漢で新型コロナによる都市封鎖がされた頃、虎ノ門ニュースのレギュラー陣は入国禁止を打ち出した渡航制限を主張してました。
その先鋒と言えるのが、火曜日のレギュラーコメンテーターである作家の百田尚樹氏です。
私も渡航制限の主張は支持しておりました。
しかし上念司氏の配信動画では、それとは異なる主張をし、引き篭もるしかないなどの主張が、百田氏の怒りを買いました。
その後、上念氏は謝罪をし、一旦は矛をおさめたように思えましたが、しかし渡航制限に対する懐疑的な見方をする上念氏の主張は変わらず、結局、両者の溝は埋まる事がありませんでした。
百田氏はその後も、ツイッター上では事ある毎に上念氏を批判し続けました。
百田氏は表現が強いので、私は批判を超えた攻撃のように思えてなりませんでした。
上念氏の考えは、私も支持できませんでしたが、一方で百田氏のやり方には納得いきませんでした。
そして決定的だったのは、アメリカ大統領選挙です。
トランプ大統領でなければ世界が終わりかねないような主張をした百田氏にとって、上念氏がバイデンになるだろうとした主張は到底受け入れられなかったと思います。
上念司氏は今年の1月最初の番組で降板が報じられました。
同時に、DHCテレビの番組「ニュース女子」も、MCを降板しました。
降板の理由は、DHCテレビの吉田会長の決断との事で、百田氏が働きかけたわけではないそうですが、この争いが無関係だとは私は思っていません。
主義主張の違いはあれど、こうしたドタバタが番組当初から続いている事が、とても残念でなりません。
虎ノ門ニュースは「物事の考え方の提供」の質が下がった?
このような経緯を踏まえながら、虎ノ門ニュースは保守系の中でも右寄りにシフトしたと私は思っています。
別に右だから悪いとは私は思いません。
ただ、行われたアメリカ大統領選挙。
ここは現在でも保守系の分裂につながった根幹ですが、陰謀論などが多く飛び交いました。
私は、保守界隈の一部で、冷静さを欠いていたと思っています。
どんなニュース番組などでもそうですが、ものの見方を提供する事が大事だと思います。
一方で、冷静に欠くような願望的な見方では、真実を見誤ると思いますし、それこそ偏向報道を正すための虎ノ門ニュース自体が偏向報道をしているのでは?と私は懐疑的な見方をするようになりました。
また、レギュラーコメンテーターに加わったイスラム思想研究者の飯山陽氏についても思う事があります。
飯山氏は、前澤友作氏の宇宙旅行について「批判したいわけじゃない」と前置きしながらも、前澤氏の「宇宙旅行が身近になった」について、「貧乏人にマウンティングしてるの?」と感じたそうです。
これは立派な批判だと思います。
前澤氏の行動には、批判ももちろんありますが、少なくとも私は夢を追う人々にお金を配ったり、多額のふるさと納税を支払い、民間人として宇宙へ行く事、こういう人をニュース番組でわざわざ批判する必要はないと思います。
飯山氏の考えは、結構好きな事もありましたが、このような考え方のコメンテーターが増える事が、私は虎ノ門ニュースの質の低下ではないかと思っています。
武田邦彦氏の降板でどこに向かうのか?
武田氏は、現在入院中という事もあり、参政党からの出馬発表を受けて、虎ノ門ニュースの番組プロデューサーの山田晃氏が電話で武田氏と話をしたと番組で紹介されました。
その中で、武田氏は降板を了承したとの事ですが、今回の一件は、参院出馬も絡み、武田氏本人からのコメントもないため、何だかスッキリしない感じです。
隔週金曜日の虎ノ門ニュースは、虎金トリオとして、武田氏と須田慎一郎氏、居島一平氏の回がとても盛り上がっていました。
私の記憶では、初めての200万回、300万回再生超えを達成したのは、この金曜日の虎金トリオの回のはずです。
武田氏は、その主張や事実について、結構賛否が分かれていました。
私も武田氏の主張が全て真実だとは思っていません。
しかし、私は今年になってほとんど見なくなった虎ノ門ニュースでも、 虎金トリオの回はよく見ていました。
見ていて面白いという事もありましたが、武田氏にしても、去年降板した青山氏にしても、色々主張については批判もありましたが、むやみやたらに個人を攻撃するような事をしない点を、私は評価しています。
個人批判を悪いとは言いませんが、少なくとも批判を超えた個人攻撃には反対ですし、特にニュース番組では、個人攻撃ではなく政策批判をするべきだと思ってます。
虎ノ門ニュースのような保守系番組は大事だし、今後も必要だと思ってます。
しかし、表での演者同士のゴタゴタが無くなる事や、一方的な見方に偏りすぎない事を私は願っています。